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2005年 08月 24日
写真は種田山頭火が父親と一緒に営んでいた、酒造場です。束の間のユートピアだったのでしょうか。いまでは煙突のほかに語るものは何もありませんが、ひょいと出て来そうです、山頭火が。
ところで私の庵で毎日みかけた大きな蜂(2センチ位の背丈で小錦のように太っていた)がここ数日姿を見せない。この蜂は私が近付くといつも威嚇してきていた。正当防衛で対決してしまえばそれまでだったが、私はある実験を試みた。私の思いが蜂にどれだけ伝わるのだろうかと。私は蜂と友達になろうと思った。毎日好意をもちながら蜂に近付いて行くと、そのうち蜂は威嚇しなくなった。蜂は私の心を理解したかのように安心して、せっせと納屋の柱に穴をあけ巣作りに励んでいた。吉備砂糖のような色をした木粉が地面に積もっていった。毎日眺めているとそうでもないが、4、5日しばらく家を離れて帰ってみるとその厚みが増している事に驚愕する。穴の中をのぞいてみたかったが、なにか恐いものを見るような気がしてそれはやめた。その蜂がいなくなった。家の周囲に張り巡らされている蜘蛛の網にひかかったのだろうか、鳥の餌になったのだろうか、働き過ぎたのだろうか・・・色々頭を巡らせたが、戻ってこなかった。何故か人生にも似て、切なかった。 月光に虫の音冴えて 崇藝庵
by suugeian18
| 2005-08-24 00:30
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